血のしるし
堅くて堅くて、こらダメだってことで、思いっきり勢いつけて彫ろうとしてたキハダのスプーン。
で、案のじょう、指に深く彫刻刀の刃が食い込んだわけで。
ささった瞬間、これはかなり深いなって。
すぐさま、刃を抜こうとしなかったもん。
だって、血、とめどなく出るだろな。
そんなだったんだもん。
でも、いつまでも指に彫刻刀を突き刺しておくわけにもいかんわけで。
抜いた後は、血がとまらんで大騒ぎ。
部屋の畳に、敷いてあった新聞紙を貫通し血が染み込み。
作業してた板の上にも、ぼたりと血の跡が。
そして、肝心のスプーンにも血。
そんな血だらけのなかから生まれたスプーン。
今日、漆の部屋からやっと出したら、
光ってるー!
あんた、てかてかやないの。
予想をはるかに超える輝きにビビる。
先生、曰く
「丁寧にペーパーあててたもんね」
「・・・・・」←記憶がない
すぐまた彫刻刀を使うのに抵抗があって、ペーパーあてて無理矢理かたちを作ろうとしてたねえ。
で、わしわしペーパーあてた結果、かたちになってたねえ。(どんだけあててんだよ)
かたちになるほどペーパーをあててたってことは、いま思えばものすごくスプーンを磨いてたことになるのか。
だから、漆がきれいにのって、てかてかになったのか。
まったく予想してなかった結果と、血の因縁のスプーン。
前期最後に、手応えのあるものが残った。
今日で実習、おしまいです。
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