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2008/07/31

血のしるし

堅くて堅くて、こらダメだってことで、思いっきり勢いつけて彫ろうとしてたキハダのスプーン。

で、案のじょう、指に深く彫刻刀の刃が食い込んだわけで。

ささった瞬間、これはかなり深いなって。
すぐさま、刃を抜こうとしなかったもん。
だって、血、とめどなく出るだろな。
そんなだったんだもん。

でも、いつまでも指に彫刻刀を突き刺しておくわけにもいかんわけで。

抜いた後は、血がとまらんで大騒ぎ。

部屋の畳に、敷いてあった新聞紙を貫通し血が染み込み。
作業してた板の上にも、ぼたりと血の跡が。
そして、肝心のスプーンにも血。

そんな血だらけのなかから生まれたスプーン。

今日、漆の部屋からやっと出したら、

光ってるー!
あんた、てかてかやないの。

予想をはるかに超える輝きにビビる。

先生、曰く

「丁寧にペーパーあててたもんね」

「・・・・・」←記憶がない

すぐまた彫刻刀を使うのに抵抗があって、ペーパーあてて無理矢理かたちを作ろうとしてたねえ。
で、わしわしペーパーあてた結果、かたちになってたねえ。(どんだけあててんだよ)

かたちになるほどペーパーをあててたってことは、いま思えばものすごくスプーンを磨いてたことになるのか。

だから、漆がきれいにのって、てかてかになったのか。

まったく予想してなかった結果と、血の因縁のスプーン。

前期最後に、手応えのあるものが残った。

今日で実習、おしまいです。

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2008/07/29

気付くの遅すぎ

いい砥石、持ってんだよ。
という、木芸の仲間から、どれどれ試しに、と借りてみた。

たしかに、いつも使っている砥石より堅くなめらかで、力いれて研いでも刀が食い込まない感触。

研いでるときは、まあそのくらいの感想なんだけど、いやいや使ってびっくりよ。

いつも通り、刀を仕込んでカンナをかける。
木にすっとあてた瞬間、あれ?なんかいつもと違う。
刀が木に吸い付くというか、するりするりと切れていく。
切れ味だけじゃない。
カンナをかけた面。
一度しかかけてないのに、ちゅるちゅる。

「・・・・・」

今までの苦労はなんだったんだろう・・・。
そら、言葉も失うさ。

どんだけ力込めてかけてたか。
作業台動かすほどさ。
ぷうぷう、意味不明な声発するほどさ。

だって、切れないんだもん。

そりゃ、そうさ。
刀がろくに研げてないんだもん。

それでかけてましたからね。
もんのすごい、みなぎる力ですよ。
力、つきました。
あふれる力ですよ。

いつも、ひいひい力かけまくってるから、聞かれたんですわ。

「そんなに堅い?木」

「力込めなきゃ切れないんだよ」

ちゃうちゃう、切れないカンナ駆使してっからよ、あなた。

それよりあなた、今までよくそんな切れない刀でやってたよ。
って言われた。

ホント、よくやってた。
へとへとだよ。

得したこと?
無駄に力つきまくってガタイよくなったってことかなあ。

4ヵ月、こんなでよく頑張ってた。
苦労してたよ。
長い苦労のおかげで、今日の感動たるや。

切れるーっ!!

見えてなかったものが、いま見える。(気がする)

やっぱ、研ぎなのよねえ。

って、あなた気付くの遅すぎです。
いまさらかよ。

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2008/07/27

夏休み来ます

あと1週間で夏休み。

7月、しんどかった。
暑さと睡眠不足がたたって具合が悪くなり、その翌日に激しく指を切り、血がとまらーんと騒ぎまくり、そうこうしてるうちに治り。(出血は派手なわりに、治りは地味にはやい)


昨日は、ここ上松のお祭り。
何年ぶりだろうか。
花火をみた。
自分にとって、花火とは夏の終わりを意味するもので、これからまだまだ夏ってときの花火で、なんだろね、しっくりこない。


8月あたま〆切りの糸ノコ・コンテストの作品をなんとか完成させ。
どうなんでしょう。
崩壊したのを、ボンドで接着。
こんなで大丈夫なんでしょうか。

でも、やらねばならないことは、なんとか終了したので、夏休み、無事に迎えられそうです。

いやいや、まだなんかありそうだけど。

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2008/07/21

身についたこととは

身についたこととは

しょぼい携帯のカメラで撮ってるので、なんともわかりにくいが、ふたつのスプーンは同じ木材から作られている。

材は、キハダ。
白っぽく見えるほうは、辺材。木の外側、というか、皮に近いほうだ。
色が濃いほうは、これとは反対に木の中心に近いところ。

同じ材でも、表情は違う。
ここで学んで四か月。
約三分の一が過ぎたわけだが、ようやく、「これ」を感じれるようになった。
四か月、学んでやっと身につけたのは、技術でもなんでもなく、木、そのものの力なのだ。
それを感じれるようになった。

自分は自然愛好家でもなく、かといって、その真逆をいくような生き方もしていない。

しかし、自分が何か作り続けることで、必然的に木は切られていく。
でも、だからって、作ることはやめないだろう。
ちゃんとしたものを作ろうと思う。

四か月たって、直角がでてる、平面がでてる。そんなことじゃなくて、木に対する姿勢を学べた気がする。
そして、これはこれからもずっと続くことなんだろうなって思う。

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2008/07/09

計画は難儀だ

いま作っているものは細工が複雑になるので、きちんとしたデザイン案を見せてくださいということになっている。

が、しかし、実際に使う木をはいで雰囲気をみないとなんともいえんなあ。

きちんとした、ってあらかじめいってるのに、ノートの片隅にででっと書いたラフをこえた単なる意味不明の図を見せる。

「これこれ、こういうの作りたい」

なんでしょ、これは。

「実際に木、切ってみないとわかんないから」←そんなで、図も曖昧

いや、だから切る前にデザインを見ないことには始まらないって最初にいったでしょう。

それでも、ワケわからん図を指差しながら、こんなの、っていう説明。←強引


自分はどうも、予想して計画をたてるというのが苦手だ。
作りながら、組み立てながら、思案しながら、こうかな、ああかな行きつ戻りつしながら完成させる。

なもんで、最初思っていたものと出来上がったものではえらい違ったりする。

でも、今回作るものは正確なダボの位置などを決めておかなくてはいけない。

にもかかわらず、とりあえず一個は試しに切ってみようということに。

大丈夫かいな、もう。


決まったものを決まったように作るより、自由に作るほうが得意だ。

同じものをたくさん作るより、いろんなものを作るほうが得意だ。(出来もしないのに、案はぽんぽん浮かぶ)

そーいや、若かりしころ職人さんにいわれたな。

あなたは職人向きではなく、創造のほうだ。

と。
たしかに、自分、職人にはなれんなあ。
こんな調子じゃ。

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2008/07/06

先に向けて

そろそろ本格的に、学校を出てからのことを考えなければならん時期になってきた。

最近は授業の合間にも、そんな話題をおりこむことも多くなり、必然的に夏休みをきに個人々々動きなさいよの雰囲気になっている。

で、昨日は見学会。
独立して活動をされている先輩方の工房へ。

どのかたのお話も、突飛でなく当たり前に「そうだ」と思えるもので、今まで自分の知り合ってきた職人さん、ものを作る方々のお話と重なっていた。

ものを作るにも、まあいろいろあって、そんななかで「木工」というジャンルでやっていこうとなると、相当厳しい。
夢だけじゃ食っていけない世界なのだ。
好きだけじゃ食っていけない。

じゃあ、どうやっていくのか。
と考えたとき、それにともなうのは技術だけではカバーできないものが存在していることをひしひしとリアルに感じていなければいかんのだ。

自分は、それが何であるか知っている。
最終的に「続ける」となったとき、これが存在していなければ、おそらく続けることは難しいと思う。
だから、せっせと磨く。

ガクブチというのは、「木工」とは違うジャンルだと思っている。
でも、違うといえどそれは木工以上に厳しいジャンルであると思う。

ある先輩は「なんでも出来なくちゃいけない」と、おっしゃっていた。
けど、自分はなんでもなんて出来ないし、するつもりはない。
だって、ガクブチしか作らないもん。


常にそうだけど、自分は崖っぷちに立っている。
落ちたら終わる。

犠牲になるものは、「もの」でなく、自分。
自分しかないのだ。

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